チップの事

ちょうど一年前の6月11日、その日も朝のうちは曇りで、後に雨が降ってくるような天気だった。その日の朝、我が家に来て15年と半年が過ぎた愛犬チップはもう自力で起きあがるもの困難になっていて、前日はまったくと言って良いほど食事を取らなかった。そして僕は朝家を出る時、1ヶ月ほど前から雨風をしのげるという理由で彼の寝床になっていた車庫にいた彼を軽くさすってやり、ひと言二言声をかけて出かけて行った。そして、それが僕と彼との最後の時間になってしまった。
あの日から一年たって、ボクの回りにも色んな事がありました。我が家には新しくセイが来て、チップ住処だった庭にはセイ小屋があったりして少しづつ変わった。チップとセイの間には血のつながりなんて全然無くて、セイはちゃんとした血統書が付いた柴犬なのだが、チップは両親がなんて言う種類なのかさえまったく分からない雑種なのです。でも何故か、セイは時たまチップがしてた様にブロック塀の上から下を覗いたり、仰向けになって寝たりと、まるで親子かと思う様な行動を取ったりする。その度にチップの事を思い出して、チップと同じようにセイも自分の宝物のように大事にしてあげられたらいいなと思うのでした。
とにかく、今日はチップの一周忌って事で、チップの事を思いっきり思い返してみたりした。